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PEST分析の正しいやり方とは?【効率的に分析を進めるポイント4つ】

困っているひと
戦略を考える上でPEST分析やマクロ環境分析が大事だと知ったのですが、範囲が広すぎて何から手をつければいいかわかりません。正しく使えるようになりたいです。

 

こんな悩みを解決します。

 

本記事の内容は、以下の通りです。

・PEST(ペスト)分析とは
・PEST分析を効率的に進めるポイント4つ
・PEST分析のやり方を解説

 

今回は、世の中のメガトレンドを分析する「PEST(ペスト)分析」について解説していきます。

 

メガトレンドとは「世の中の大きな流れ」のことで、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の枠組みで分析することができます。

 

広範で難しいイメージを持たれやすいPEST分析ですが、本記事で大事なポイントを押さえれば、明日からPEST分析が楽しくなりますよ。

 

また、本記事ではじめてPEST分析を知る方も、ポイントを理解していただける内容なので是非読んでみてください。

 

PEST(ペスト)分析とは

PEST(ペスト)分析とは

PEST分析とは、ビジネスに影響を与えるメガトレンドを理解するフレームワークです。

Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の枠組みで分析します。

 

PEST分析ができるようになると、事業の中長期の戦略立案の際、将来にわたるチャンスやリスクを見逃さないようになります。

 

どういうことかと言うと、

  • 中長期の戦略では、外部環境にたくさんの不確定な要素がある。
  • そこで、広い範囲でビジネスの変化を捉えることで、機会やリスクの見落としが減る。
  • また、時代の流れやトレンドを理解した戦略の方が成功の確率が高くなる。

ということで、メガトレンドを捉えることで不確実性に対処できるということです。

 

しかし、PEST分析はマクロの視点を持たなければならず、苦手な人が結構多いです。

PEST分析ができるようになれば、重要な中長期の戦略立案に貢献できる可能性がありますよ。

 

しっかりとポイントを押さえながら分析を実施していきましょう。

 

PEST分析を効率的に進めるポイント4つ

PEST分析を使う上で大事なポイント4つ

PEST分析を進めるときの大事なポイントが4つあります。

 

それは、以下の4つです。

  • 自社のビジネス特性を理解する
  • すべての要素を網羅的に押さえようとしない
  • 影響を受けやすい要素を明確にする
  • 定期的・継続的に見る

それぞれ見ていきましょう。

 

①:自社のビジネス特性を理解する

まずはじめに、自社のビジネス特性を理解しましょう。

 

「コスト構造はどうなっているか?」「バリューチェーンはどんな構造か?」「自社に影響を与えるステークホルダーは誰か?」などです。

 

これらの分解ができていると、メガトレンドとビジネスの紐付けが容易になります。

 

例えば、「現在大きく占めているコストが技術革新により大幅に削減できる可能性」や「規制緩和による強力な代替品を擁する競合の参入」などはビジネス上、大きなインパクトを与えますね。

 

自社のビジネス特性を理解するほど、機会や脅威の視点が増えていくことになります。ひいては、チャンスの拡大やリスクの軽減に繋がります。

 

②:すべての要素を網羅的に押さえようとしない

PEST分析をする際、すべての外部環境を押さえる必要はありません。

自社ビジネスの視点で中長期における様々な不確定要素を挙げていくことができれば問題ないです。

 

完璧を目指すと途中で挫折してしまいます。また、多くの人が挫折する理由もこれです。

 

例えば、「コスト削減に寄与する技術革新」や「自社を有利にする規制緩和」、「自社商品を求めやすくなる社会的価値観の変化」など、関連度の高いものだけで十分ですね。

 

分析対象は自社のどんな点に影響を与えるか考えながら効率的に分析を進めていきましょう。

 

③:影響が大きい要素を明確にする

PESTのトピックが列挙できたら、ビジネスが影響を受けやすい要素を明確にします。

 

中には、どちらに転んでもビジネスインパクトが少ないものもあります。そうしたものは、「洗い出すけど注視しない」という選択を取ることで余計な箇所に力を入れずに済みます。

 

一方で、変化によってビジネスへのインパクトが大きいものは特に注視する必要があります。

そのようなトピックは、特に注意してニュースを受け取り、最新の情報にアップデートしたり、想定されるシナリオを用意して、事前に対処していくことが求められます。

 

ビジネスへの影響を考えて、メガトレンドへの対策を立てましょう。

 

④:定期的・継続的に見る

最後に、洗い出した項目を定期的・継続的に監視しましょう。

 

1回のPEST分析をして終わりではなく、定期的・継続的に見ることで、本当の意味でチャンスやリスクの見逃しを無くすことができます。

 

「ビジネスインパクトの大きさ」、「変化の時間軸」などを考慮しながら、レポートするタイミングを決定します。同時に、「もしこのような場合になったら」とシナリオ毎に対策をすることができたらパーフェクトです。

 

洗い出したトピックは新聞やニュースなど目を通すようにして、記事があった場合は、情報をアップデートしていきましょう。

 

PEST分析のやり方を解説

PEST分析のやり方を解説

続いて、PEST分析のP・S・E・Tのそれぞれの分析方法を解説していきます。

それぞれどんな視点を持って分析するか解説していきます。

 

改めてですが、PEST分析はそれぞれ下記のような項目を見ていきます。

PEST分析の視点

 

Politics(政治的要因)の分析方法

政治的要因では、法律(規制・税制)、政府・関連団体の動向、消費者保護、公正競争などの切り口で見ていきます。

 

この政治的要因の影響を分析する上では、誰が・どのように法律や規制を決めるのかを理解することがポイントです。

 

例えば、Uberなどのライドシェアサービスは、日本では規制されています(2020年現在)。国から営業許可を得ていない個人がタクシー業を行うことは法律違反だからです。

しかし、このような規制が緩和され、新たな個人タクシーが多数参入した場合、タクシー業界は厳しい競争を強いられてしまいます。

規制を受けているプレイヤーは規制緩和を求めます。また、管轄するのは国土交通省です。こうしたプレイヤーの動向を見ていくことで、政治的要因を把握することができます。

 

「どのような法律(規制・税制)改正・制定があるのか?」「そのプロセスは誰が決めるのか?」「今どのような段階なのか?」といった点に注視し、情報収集することで、危機を回避したり競争環境を有利に進めたりすることができるでしょう。

 

Economy(経済的要因)の分析方法

経済的要因は、どんな業界にいても直接的・間接的に影響を受けます。

 

経済的要因では、景気、価格変動(インフレ・デフレ)、貯蓄率、為替、金利などの切り口で見ていきます。

 

特に重要な指標は以下の3つです。

  • 景気
  • 為替
  • 金利

 

例えば、景気を知るためにはGDP(国内総生産)を見ます。GDPは創出された財とサービスの付加価値の総和です。GDPから給料(人件費)が支払われることも押さえておきましょう。

GDPは景気に左右されやすい業界(娯楽、余暇、レジャーなど)は注視する必要があります。

 

為替は輸出入のビジネスに影響を与えます。輸出入ビジネスではなくても、日本の場合、資源を外国に頼っているケースが多く、自国の為替安はコスト高の要因になります。

 

金利は資金調達時に影響を与えることがあります。実態として、高金利時に資金調達の意思決定が行われづらいこともあります。

 

経済的要因はどの事業も間接的に影響を受けるので、景気・為替・金利の変化が自社のビジネスにどう影響を与えるか知っておくことでチェックしやすくなります。

 

Society(社会的要因)の分析方法

社会的要因では、宗教、価値観、倫理観・社会規範、世論、教育レベル、ライフスタイルなどの切り口で見ていきます。

 

この社会的要因は、「社会環境」や「人々のライフスタイル」の変化と、それに対する「ビジネス」への影響を考えます。

 

全般的に概念が広く、定性的な評価になりやすいのが特徴です。また、大まかな変化を3〜5年程度の視点で捉えていくのが社会的要因の分析になります。

 

例えば、「プラスチックゴミに対する消費者の意識が高まっている」や「フェアトレードの製品を買うように心掛ける人が増えつつある」というようなことは、トレンドが急激に変化することではありません。

 

 

しかし、社会的要因の中でも、人口動態は比較的具体性があると言われています。

 

その理由は、

  • 確実にデータとして把握できる
  • 将来の予測が外れることが少ない(出生率は大きく変化しない)
  • 人口動態は経済に大きな影響を与える

からです。

 

特に、15歳〜64歳の生産年齢人口は労働市場に直接的な影響を与えます。それは、

 

[ 労働人口 ] × [ 労働時間 ] × [ 労働生産性 ] = GDP

 

の公式が成り立つからです。

 

社会的要因では、「人口動態」と「3〜5年程度の社会環境・人々のライフスタイルの変化」を押さえることができれば大丈夫です。

 

Technology(技術的要因)の分析方法

技術的要因は今日において、特に無視できないトレンドです。様々な技術革新が圧倒的なスピードで進んでいるからです。

 

技術的要因では、技術革新、特許、技術のライフサイクル、生産・商品化技術、代替技術などの切り口で見ていきます。

 

この技術的要因を分析するポイントは、自社が「2つの戦い方のどちらを選択しているか」によって見方が変わります。

 

2つの戦い方とは以下の通りです。

  • 市場を決めている場合
  • 特定の技術に軸に市場を探る場合

 

市場を決めている場合は、「市場においてどのような技術革新が起きるか」、「どのような技術を採用すべきか」を注視する必要があります。また技術革新だけでなく、政府の規制変化の可能性や競合の技術投資の推移を見ながら、自社の戦略に落とし込みます。

 

特定の技術を軸に市場を探る場合は、テクノロジートレンドを追うのではなく、自社の技術の習熟度を高めます。

 

技術的要因の分析では、自社の選択している戦い方に応じて、分析を進めましょう。

 

まとめ:PEST分析で世界の流れをとらえよう!

PEST分析で世界の流れをとらえよう!

 

PEST分析の要点を押さえることはできましたか?

 

PEST分析ができるようになれば世の中の流れを知るだけでなく、仕事でも大きなチャンスを掴むこともできるかもしれません。

大きなトレンドを知ることで、だんだん自社や競合の次のアクションを予測できるようになるからです。

 

PEST分析は様々な分析の1つです。もっと詳しく学びたい方は下記の書籍がおすすめです。

経営戦略における重要な分析のフレームワークが網羅的に学べます。僕が学んだMBAでも教科書として使われています。「知らないことを知る」 には十分な一冊です。

 

また、これから経営を勉強したいという方は、まずは下記から読んでみるといいと思います。

経営戦略とは何か、わかりやすく概観を掴むことができるのでオススメです。

 

今回は以上です。

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